高校のとき、勉強に明け暮れる私たちに向かって 京大出身の担任教師が突然問いかけた。
「お前ら、何のために勉強しとるか分かっとるか?」
聞き飽きた質問だと思ったが、 それでもこのことが印象に残っているのは この後の彼の言葉が意外だったからである。
「お前らの人数が多過ぎるからだ。」
私たちはまたくだらない理想論をぐだぐだと聞かされるのかと思っていたが、 どうやら違うようだ。
「大学にはお前ら全員を受け入れる準備がない。 それで人数を絞らなきゃならんのだが、 世間を納得させられる方法で選ばなきゃならん。 それで試験をするだけの話だ。 定員が十分あればお前らそんな勉強なんか必要ないんだぞ。」
他の教師からはそれまで聞いた事のない言葉に驚きはしたが、 考えてみれば当たり前だよな、と軽く受け止めただけだった。